photo credit: One of my new favorite restaurants via photopin (license)
「驚かないんだね」
エメラルドの毛。ただ、それは全身に生えている。
「時々見えるんだ、昔から」
「そうなんだ、そういう人初めて会った」
そう言うと異様に細い手足、らしきものが震えた。
「他にも会ったことある?」
「あるよ」
目はつぶらでかわいいな、と思った。
・・・一応聞いておこうか。
「君の名前は?」
「僕はяфŧΘξ仝η」
案の定、発音できそうにない
「そっか、じゃあなまえをつけてよ」
「そうだね、君は・・・」
ロシア発のカードゲーム。
祖国では知育玩具として推薦もされているそう。
ルールは非常にシンプル。
山札をめくって現れた、この奇天烈生物に名前をつけていくだけ。同じカードが出たらその名前を叫ぶ。一番早かった人がそれまでのカードを総取りして、また新たに名前を付け出す、というもの。
一番カードを獲得した人が勝ちだ。
非常に幅広い年齢楽しめるゲームである。
大人のみでやっても面白い。
なんといってもイラストが秀逸で、名前をつけていくうちに、
何故か新たなカードがめくれるだけで笑えるという不思議な現象が始まる。
(自分ならこうつける)
(さっきの名前は面白かったな)
邪念であり、そのせいで正確な名前の記憶が曖昧になる(笑)
ワイワイ楽しむコミュニケーションゲームのひとつだが、諸事情により本気で勝ちに行きたいときは、自分だけ分かるような長めの名前をつければ良い。ただ、それはカラオケで誰も知らない歌を延々唄い続ける行為と何ら変わりないことは明記しておく。
あとはカードのめくり方にも注意。「認識早いもの勝ち」というルール上、めくられた方向にいる人が若干有利。一気にめくるか、せめて自分のほうからはめくらないのが紳士といえよう。
極寒のロシアの室内で、このゲームがプレイされていると思うと
なんだかホッコリする。
ロシアの国内時差は10時間。
今もこの瞬間に、カリーニングラードからマガダンのどこかで
この生き物が姿を見せているのだろう。