第6版 ~2000円の紙切れ達~

『ルアゴイフとネクロポーテンス』


 以前のようにカードの価格が分からないと、フィーバー交換が永遠に続き、取り返しのつかない禍根を残す可能性もあったわけだが、幸いであったのは程なくしてシングルカードが置いてあるショップが発見されたことであろう。近かったのだが、程なくして無くなってしまったので、あまり思い出はない。


しかし、私とM君がハルマゲドンや十字軍の価格に驚いたことは言うまでもない。


ほかにも幾つか驚いたものを挙げると、

T君のインフェルノ、十字軍(笑)

W君のネビニラルの円盤、ハルマゲドン(笑)

K君のルアゴイフ

N君の低木林地、ネクロポーテンス


あたりだったか。ハルマゲドンは未だ全く理解されなかったが、間違って理解されているヤツもいた。


これだ。

『ネクロポーテンス』


我々の捉え方はこうだ。ライフを払わないとドローが出来なくなる。つまり相手にエンチャントして妨害する強力カードだ、と。


・・・


勿論相手にはつけれない。まだルールは完璧ではなかった(笑)



 これぞ伝説のブラックサマーをもたらした黒の鬼レアである。説明不要かもしれないが一応書いておくと、このカードの真価はライフを犠牲にして瞬時に莫大な手札を得ることにある。ウィニーに使えば、毎ターンクリーチャーが大量に飛び出す息切れしらず、コントロールで使っても土地事故は起こしにくいわ、キーカードを引き入れやすわ、とんでもない凶悪なカードなのだ。

『ブラックサマー』とは、1995年の世界大会の9割以上がこのネクロデッキだったことによる。


 このネクロポーテンスは後にmoryのパートナーになるので後日ゆっくり語ろう。


 とにかくそこで少しカードの価値が分かってきた。拡張セットのことも知った。しかしまだ皆は拡張セットには手を出さず、5版のブースターばかり買っていた。


 私はあまり小遣いはなかったのでそれまでは購入してなかったが、店で数千円代のレアを見て「これらが当たるかも」と変な希望に溢れてしまったので、ひとつ買ってみることにした。


 パックを破き一枚ずつ見ていく。最後のカードがレアだと聞いた。コモン、アンコモンには目ぼしいものは無かった。というか覚えていない。レアカードが衝撃すぎたから。


ドキドキしながら最後のレアカードを見る。

「神様っ!」










か、神様・・・


これってレアカードだったんですね・・・


かつてB君を説き伏せて交換してもらったこのカードは、前述の通り、白青黒のデッキとなった今は使われておらず、お蔵入りとなっていた。そのお蔵に「つがい」がやってきたのだ。


 始めてのブースターは苦い思い出となった。ギャンブルの怖さを少し学んだような気がする。これに懲りて暫くブースターは買わなくなる。これをトラウマという。
 こうして中1の夏は終わり、季節は秋、そして冬にうつろう。ここで大きな出会いが2つあった。

このゲームに革命が起こるのはここからだ。