第12版 ~基本的黒権の侵害~

『略奪に呆然』


クラシックについて少し。

前述の通り、最も改悪されたのは、そして改善されたのはである。このような5版からの各色の変化と及ぼした影響について、当時を振り返って語ろうと思う。良かった色順に。

まずは緑。

充実は半端じゃなかった。『リバーボア』『ウークタビー・オランウータン』『不屈の自然』『忍び寄るカビ』『マロー』『野生の呼び声』『早摘み』『俗世の教示者』の参入。そして一方で『ラノワールのエルフ』『極楽鳥』『巨大化』『エルフの射手』などの残留。失ったものは『ルアゴイフ』と『森の知恵』くらい。これらを使うデッキは緑単というより、ちょっとピーキーなデッキになるので、実質大きな損失は無かったと言って良い。

このタイミングでリリースされていたウルザブロックもまた、緑に多大な恩恵を与えていたので、この年半ばからは緑の時代が来る。M君を始め、多くの人が緑を使い、周りで最も多い色となる。



ついで白。

これは2番目に得をした色であった。『白騎士』や『白き盾の騎士団』は失ったが、それに代わる『長弓兵』を得た。さらに『神の怒り』『ハルマゲドン』『十字軍』は残留、除去として新たに『流刑』も得た。教示者シリーズは4色ともあったが、中でも『悟りの教示者』はワルいヤツであった。

総じて失ったものの割に得たものが多い結果に。つまり白ウィニー使いのT君、W君の隆盛は続くのだ。



赤も白と同等。

『火葬』『紅蓮破』『シヴ山のドラゴン』『ボールライトニング』と白より失ったものは大きかったが、『ショック』『略奪』ドラゴン2種、『バルデュヴィアの大軍』『熱情』『ボガーダンの鎚』と喪失をもろともしない凄いリターンを得た。もちろん『ゴブリンの王』『地震』『ジョークルホープス』は残留である。この『略奪』がかなり凶悪であり、N君の赤はさらに強くなる。おまけに『最後の賭け』という漢カードもあり、moryはこれでとどめをさされ悔しい思いをしたこともある。



青は黒の次にパッとしなかったであろう。

『渦巻く知識』『停滞』『時の精霊』を失い、得たものは教示者と『繁栄』『寒け』『先細りの収益』くらい。しかし『対抗呪文』や『ブーメラン』『大気の精霊』など基本的人権は侵されなかった。ここが次の黒を遥かに上回る。まあ、当時青を組むのはなかなかの資産が必要だったので、中学生の我々には青使いは少なく、あまり大きな影響はなかった。マーフォークを使っていたK君くらいか。



黒。


得たものからいこうか。『教示者』『呆然』。この2枚はかなり強かった。次点は『隠された恐怖』。だがこれだけであった。


 

そして失ったもの。心してスクロールして欲しい。



枚挙にいとまが無いとはこのことだ。

 

そして彼の姿もなかった。

思い出の1枚。ウィニー化してからは使っていなかったけど、無くなったのは寂しく思った。



しかしこれらを上回る驚愕の事件はこれも無くなったことだ。

信じられるだろうか。


ウィザーズオブコーストは世界の黒ファンが結託してストライキをおこしてもおかしくないことをしたのだ。


まさに、

である。


間違いなく黒の在り方は変えられようとしていた。サーガと後ほど発売されるマスクスにはこの儀式があったのですぐに消失はしなかったが、マスクスを最後に完全に姿を消すことになる。

黒使いの私は凋落の始まりに身を置いていたのだ。