第10版 ~少々黒を嗜みます~

『不吉の月と汚染』


私の初期の黒単はこんな感じ。

まずは暗黒の儀式。これは外せない。

同じくシャドー、これも外せない。

そして『黒騎士』、外すわけがない。


あとは目についた『アーグの盗賊団』や『ストロームガルドの騎士』『走り回るスカージ』も入れた。ここまでの選球眼は我ながらイケていただろう。

しかしこれらの強カードは手元に4枚なかったため、クリーチャーは他にも『キィエルドーの死者』『疫病甲虫』や『羽虫の大群』なども放り込まれていた。理由はただ軽いから。

イケてない。


 というわけで明確な強化の方向性が決まったので、チャリ40分ほどの専門店に向かった。目的は強い黒のクリーチャー、特に『黒騎士』と『ストロームガルドの騎士』が欲しかった。とある事情のため(第6版参照)、5版のブースターを買う気は毛頭無かった。ショップで探してみると、『黒騎士』はシングル200円、『ストロームガルドの騎士』はアンコモンランダム4枚入200円のセットの中にあった。
 これらを購入し『黒騎士』と『ストロームガルドの騎士』を揃えたため、デッキのクリーチャーはかなり洗練された。

 

 こうなるとどうしても欲しいカードがあった。これだ。


黒き十字軍『不吉の月』


 これを是非組み込みたかった。しかし周りでは誰も持っておらず、値段も1200円程度であったため、おいそれと手が出ない。イラストの格好良さも合間って、このカードを求めて止まなくなった。学校中のプレイヤーに聞いた(おそらく全員に)が、やはり持ってなかった。執念実らずである。


 しかしこのデッキを強化するもうひとつのパーツを発見した。


『汚染』


 最初の認識は自分のマナが全部黒になるだけの意味不明カード。しばらくしたら「あ、無色しか出ない土地も黒がでるのか。これなら不毛の大地とかも使いやすい」と天地驚愕の誤認。しかしレベルアップを重ねてきた私は、もう見誤らなかった。


これは恐ろしいカードだ、相手の土地から黒しかでなくなるのだ


 このカードはK君が持っていたので交換してもらった。前述したとおり『ルアゴイフ』を持っていた彼だが、実は他にも『天才のひらめき』『ファイレクシアの巨像』『ヨーグモスの意思』と当時のウルザズサーガのトップレアを引いていた。振り返ると驚愕のラインラップだ。サーガは外れも多いのに。


 話は逸れたがこの「汚染」、張ったら黒以外にはまず勝てた。相手は用途不明の黒マナしか使えないので基本アーティファクトしかプレイできない。ウィニー展開後のロックに最適であった。

 欠点は維持費の高さ。かの王様と同じく毎ターンクリーチャー生贄なのだ。この維持費として考えたのは『増殖槽』や『センギアの重臣』であった。

ここまでやると「改悪」である。

ちょっと重くなったのが玉に瑕だが、『汚染』の強さのためには致し方なし、と思っていた。所詮私の構築能力はこんなレベルであったのだ。如何にデッキパーツのチョイスがぬるかったかについては、ちょっと先になるが第13版にて回想しようと思う。