Round table of CAMELOT

King Arthur

 

彼は6世紀にブリテン島(現イギリス)の君主であったとされる。

「される」というのは、史実を示す書物が少なく、

実在の証明がされないからだ。

 

Folklore

 

しかし、彼にまつわる民間伝承は多い。

ジェフリー・オブ・モンマスが著した『ブリタニア列王史』。

12世紀に神話と実歴史を混同し書かれたこの本は、

国境を越えるほどの人気を博してヨーロッパに広まる。

 

A familiar legend

 

今に至るまで数多くの創作物が作られた。

書物だけではなくメディアやゲームでも取り上げられ、

断片的でも関連した単語を聞いたことがある人が殆どだろう。

史実であろうと無かろうと、

この物語は今や最も「身近な」伝説のひとつとなっている。


 

 

 

ここでは『キャメロットを覆う影』ゲーム中に登場するイベントや登場人物を簡単に紹介。

遊ぶ時に世界観を膨らます一助になれば。

ちなみに数多の話からのほんの一部の抽出であり、これが全てではないので、識者に自慢げに語らぬよう努々ご注意を。

 

 

~Index~

・Disasters of Camelot 

         ゲーム中のイベント紹介(同ページ下部)

・Knights of the Round Table

         登場する円卓の騎士紹介(作成中)

Disasters of Camelot


【サクソン・ピクト人の侵攻】

photo credit: Demonsub via photopin cc

 サクソン人、ピクト人はブリテン島に進攻してくる蛮族である。

 史実では4世紀に入ると、ブリタニアは2方面からの攻撃にさらされるようになった。西部からのピクト人(アイルランド人)の攻撃と、東部からのサクソン人(アングロ・サクソン)の攻撃である。

 アーサー王はケルト人を率いてこれらを撃退しイングランドを統一する。こうして作られた彼の王国は「ログレス」、都は「キャメロット」と呼ばれ、美麗な居城にはマーリンの魔法の力でアーサーの忠実なる騎士達が座る円卓がしつらえられた。


【黒騎士との馬上槍試合】

photo credit: sincerelyhiten via photopin cc

 


 黒騎士(black knight, chevalier noir)は、主君と明確な主従関係を結んでいない騎士、または兵士のこと。騎士は多くの場合盾などに自身の出自を表す紋章が描かれていたが、黒騎士はそうした紋章を持たず、盾を黒く塗りつぶしていた。

 騎士による馬上槍突撃戦法は当時のブリタニア、及びヨーロッパでの主要な戦術であった。また騎士の武芸としても1対1の馬上槍試合は盛んに行われていた。

 劇中のキャメロット王国にて開催されたトーナメントでは、正体が分からぬよう黒騎士に扮して出場したランスロットが他の円卓の騎士達を破り優勝している。なぜランスロットがそのような行為に及んだのかは登場人物の項(※執筆未)にて。


【エクスカリバー】

 蛮族の侵略にさらされるイングランドは混乱に陥り、内外で争いが勃発するさなか、カンタベリー寺院に剣が刺さった不思議な岩が突如現れる。その剣には、「この岩から剣を抜いた者は全イングランドの王である」と書かれており、イングランド中の王や領主や屈強な騎士たちが剣を抜こうとしますが、誰にも抜くことができなかった。それを偶然にも引き抜いたことから、実はアーサーが王の血統であることが判明し、彼は王座に就くことになる。それが魔剣「カリバーン」のちの「エクスカリバー」であった。

 ディズニー映画『王様の剣』はこれである。

 

 劇中のシーンは一度は折れたカリバーンが「湖の乙女」の手でエクスカリバーとして蘇り授けられるところである。

 ちなみに剣が折れたのは、後に円卓の騎士の一員となるペノリア王との戦いの際である。魔剣カリバーンを失ったアーサー王は魔術師マーリンに導かれ湖と赴く。不思議なことに、その湖面からは白い衣をまとった女性の腕が突き出しており、その腕には一振りの美しい剣が握られていた。

 生涯をこの剣とともにしたアーサーだが、カムランの闘いで致命傷を負う。死を悟ったアーサー王は最後まで付き従った騎士ベディヴィアにエクスカリバーを湖に投げ入れるように命じ、エクスカリバーは湖の乙女に返還されることとなる。

 


【聖杯探索】

 キリストの遺体を引き取ったとされるアリマタヤのヨセフ。

 そのヨセフの子孫によって受け継がれてきた聖杯は、ある代の聖杯の守護者が巡礼者の女性に邪な思いを抱いたことによって、その時以来姿を消してしまった。

 しかし、聖杯はアーサー王の配下の騎士たちに危機が訪れる時には何処からともなく姿を現してその危機を救っていた。そんな彼等も決して聖杯を所有するまでには至らないのは、聖杯は身も心も穢れを知らない最も純潔な騎士の手にしか留まらないためであった。

 そして、その高潔の騎士こそがランスロットとヨセフの血を受け継ぐエレイン姫との間に生まれた聖騎士ガラハッドである。

 

 聖霊降臨祭の日にアーサー王の宮廷キャメロットでは円卓の騎士が集まったところに、突然聖杯が現れるという事件がおきた。聖杯を手にする時期がやって来たと感じた騎士たちはガウェインの提案に沿って1年と1日の期間で聖杯を見つけ出すという誓いを立てるが、不吉な予感を感じたアーサー王はこれを快く思わなかった。

 アーサー王が恐れていたように聖杯探求の旅は厳しいもので、ガウェインやランスロットといった円卓の騎士のなかでも中心的な存在ですら途中で脱落していくことになる。結果的に聖杯の元までたどり着けたのは、パーシヴァル、ボールスとガラハッドの3人だけであった。しかし、パーシヴァルとボールスらは聖杯を目にすることは出来たが手にすることは適わず、それが出来たのはやはりガラハッド一人であった。

 そしてガラハッドは聖杯を手にして至福の内に昇天していった。


【ランスロットとの一騎打ち】

photo credit: freeparking :-| via photopin cc

 

 ランスロットは劇中ではよく一騎打ちをする。

 あるときは同じ円卓の騎士「ケイ」の身代わりとして、またあるときは名誉を回復するための槍試合にて。

 しかし円卓の騎士に敵対する立場となっているこのゲーム。これはアーサー王の妻ギネヴィアとの不義が発覚し、円卓の騎士を離反した後のことであろう。

 

 実際、円卓の騎士でランスロットを一騎打ちをしたことがあるのは、「アーサー王」と「ガウェイン」である。

 ガウェインは3人の弟をランスロットに殺された恨みで戦うも敗れて重傷を負う。皮肉にもこの傷が原因となり、後の戦でガウェインは命を落とす。(実はガウェインにはランスロットすら防戦一方に出来る特殊能力があったのだが、それは登場人物の項で。)

 アーサー王は槍試合にて正体を隠したランスロットと試合をする。結局この勝負は決着つかず引き分けであった。

 

 並居る騎士の中でも最高峰の強さと称されるランスロット。その強さを痛感するイベントであろう。


【ドラゴン退治】

photo credit: glyn_nelson via photopin cc

 ファンタジーに登場する王道架空生物「ドラゴン」。

 アーサー王伝説では、管理人の知る限り、ドラゴン退治のくだりは「トリスタン」の話に存在する。


 トリスタンがまだ円卓の騎士になる前のこと、仕えるマルク王に命じられて「燕が運んできた髪」を頼りに王妃となる人物を探すことになった。その際にアイルランドにて国土を荒らすドラゴンに遭遇、これを成敗する。実はドラゴンを退治したものはアイルランドのイゾルデ姫を嫁に迎えられることになっていた。しかし、実はこのイゾルデ姫こそ「燕が運んできた髪」の持ち主であり・・・

といった具合。続きは登場人物の項で。


 正直、ドラゴン退治というイベントは「アーサー王伝説」においてはメジャーではないが、これはまあボードゲーム用の補正というやつだろう。