カルカソンヌ

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「やあ、こんにちは」

「こんにちは、おじさん。今日もこの街のお話聞かせてよ」

「いいとも。前はどこまで話したかな?」

「王女とドラゴンの話」

「そうか、じゃあ今日はかつてこのカルカソンヌに建っていた塔の話をしよう。その塔は何故造られたかというと・・・」

 

 

「へえーそうなんだ・・・あ、お父さんだ!またね、おじさん」

「ああ、さよなら」

 

 

「ねえ、お父さん?」

「なんだい?」

「あのおじさんってこの街についてすごく物知りだけど、いつも草原で寝てるよね。何してる人なの?」

「はは、あの人はね・・・」


Rule&Analysis

 

 記念すべき「最初に買ったドイツゲーム」であり、2001年のドイツゲーム大賞でもある。

 

 ボードゲームの祭典『Essen Spiel』にて、カタンやドミニオンのように世界大会が開かれている。

 タイルを引いて城砦都市カルカソンヌを作っていき、作った道や街に応じて点数が貰える。

 ルールは簡単。毎回手番に引いたタイルを辺で接した絵の合う所に置く。で、今置いたタイルの道や街や草原にコマを置いても良い。このコマがその道や街の所有権を示し、大きさに応じて点数になるという仕組み。




道は1タイル1



街は1タイル2点。

ただしゲーム終了時に「完成」していなければ1タイル1点に減点される。


「完成」した街とは、全てが壁で覆われた状態のこと。未完では損するだけなので、街の所有者は何とかして四方を閉じたいところ。





修道院は周囲のタイル1枚につき1点。つまり8マス全部置ければ8点だ。




草原はゲーム終了時に決算されて、地続きの草原にある完成した街ひとつにつき3点となる。

 コマが所有権を表すと説明したが、もし新たに道や街に繋がった時、そこが既に誰かのものになっているなら、そこにはコマを置けない。違う人が所有していたもの同士が接続された場合は、最も多くコマを置いていた人のものになる。堂々と陣地に入ってはダメだが、こそこそしれっと参入するのはありなのだ。他の人の大都市建設中に、横からこっそり参入して「やあ、偶然ですね。一緒に街を大きくしましょう」って感じ。どの時代でも要領のいいひとはいるものだ。


 所有した都市が完成できるかと、草原の位置どりがポイントだろう。街は完成しないと得点半減するばかりか、コマは道や街が完成したときにしか手元に帰ってこないので、あんまりボード上にあると置きたいときに置けないコマ不足になってしまう。必然的に小さい都市が乱立する形になるので、草原の位置どりも非常に大事だ。しかし出遅れると所有権を得にくいし、早過ぎると草原を閉じられて効果的ではなかったりする。しかも草原に置いたコマは、ゲーム終了時まで寝転がって戻ってこない。なかなか置き方に悩まされるのである。


赤と青のコマの明暗くっきりである。青のコマはゲーム終了まで手元に戻ってくることはなく、ずっと野原で昼寝をする羽目になる。



 このカルカソンヌは拡張セットが多い。2014年現在で12ある。機会があれば、これらは順に紹介していくことにする。


 拡張セットを混ぜすぎると、折角のシンプルでテンポのいいゲームがダレてしまうので、1つか2つくらい入れてスパイスとして楽しむのがオススメ。CoCo壱番屋のトッピング全部乗せがカオスになることは想像に難くない。それと同じだ。


 しかし、いつかは全ての拡張を放り込んだ「フルカソンヌ」をやってみたくもある。どれだけ巨大な地図が出来上がるのか、何時間かかるのか。もしプレイしたら記事に書いてみようと思う。